のほほん騎士私闘。


中世の騎士、と云うとよく映画でも決闘や私闘をしていて「殺し合いとか大変だなー」とか思ったりしませんか。
「近代の戦争は大量殺戮」とか云われるだけ有って、実は以前迄の決闘は勿論戦争では人はほとんど死にませんでした。
一人も死なないで終わる戦争も有った程です(出てもせいぜい数名とか…)。
同様に騎士達の間でも多分一般で思われている程には殺し合いとか云うのは無かったと思われています。

此処で取り敢えず挙げるのは「私闘」です。
誰かが死ぬ、と云う事はほとんど無かったにせよ事実「私闘」は頻繁に有りました。
但し事の流れは以下の通りです。

  1. 騎士Aは重装備をして馬に乗り、お付きの者や家来をぞろぞろと連れて森の中を他の騎士を捜す為に彷徨(うろつ)く。
  2. 騎士Bと遭遇。相手との力関係は馬や鎧等の装備を見ればお互い分かったらしく勝敗は得てして戦わずして付いた。
    例えば此処はBが降参、Aが勝利したとお互いが判断したとする。
  3. AはBを連れて城に帰る。
  4. Bの親族に「お前達の城主は預かったから身代金をよこせ」と要求。受け取り次第Bを解放。
  5. Bはお金が無くなってしまうので自分より弱く身代金を取れそうな騎士を捜してまた森を彷徨く。

例えば(2)でお互いの力がどうも均衡しているなぁ、と判断したら戦います。
しかしその場合も相手が死ぬ迄は戦わないし、連れてきた家来同士の戦いで終わる事もしばしばでした。
此れが平和な時の騎士さんのお金の稼ぎ方の一つでした。まぁ…命は大事ですしね…。
でも少し間が抜けているような(本人達は至って真面目なんですが)。

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